現代は「自己PR」の時代なのでしょうか。面接試験では「ひとつ五分間以内であなたの自己PRを」と要求されることが当たり前になりました。大学生を採用する新卒試験では必ずこの質問が放たれますから。

中途採用者の皆さんにも同じパターンが繰り返されるわけです。採用者側の面接スタッフは、新卒者であれ中途採用者であれ、変わらないのですから。

大学生であれば自己PRの内容も成績や得意学科、クラブ歴、性格などでかまわないわけですが、30才前後の社会人としてのキャリアの持主ですと、これでは困ります。

(この人も、学校を出てから相当の期間が経つわけだから、前の会社やそれ以前の会社で多少の実績はあるかも!? )

そう人事マンたちは考えて,この質問の矢を放つわけです。

なのに、「はあ、私は性格の明るさでは誰れにも負けませんで、学校時代はいつも人気者、タレント扱いされょした。とにかくその明るさたるや太陽並みの男、と言われてます!」というような性格問題の自己PRに終始しますと、相手方の失笑を買うでしょう。

ですから、中途採用者の自己PRは、仕事についても触れるようにして下さい。

「前の会社では営業を担当しましたが、同期の中では一応トップでして、社長賞を頂いたことがございます」

とか

「私の担当したデザインが、なかなか評判がよくてグッド·デザイン賞を受けました。むろん、チームプレーの成果であり、私一人の腕ではありませんが……」

「総務課員としてQCを担当し、工場の生産改善について成果を挙げました」

などという形の自己PRができたら、とてもよろしいわけです。なお、このような具体的な内容になりますと、それを証明するものが何か欲しいところです。社内報でも表彰状でも、自分
の実績を証明する何かを付けることができたら、これはベストでしょう。

しかし、30歳前後でこのようなハッキリと口にできる実績を持つ人はそうはいないでしょう。むろん、単に性格、趣味だけの自己PRでは物足らぬとすれば、どのように自分をアピールすればいいのでしょうか。これは、

「私は頑張り屋として定評がありました。前の会社では定められた休日以外、休んだことがありません」

「私はまだ若造ですので大した営業実績は挙げていません。ただ、自分で一日50軒訪問のノルマを決めてから、それをひたすら続けて来たことは誇ってもよいと存じます」

「総務の仕事は自分の個人実績につながりにくいわけですが、私しとしては真剣にやって参りました。私は社内の提案制度に三回ほどアイデアを提案し採用されました。」

「経理ウーマンとしての私の自慢は,担当した決算書づくりで、数字上のミスを一度も仕出かさなかったことです……」

というような表現でしょう。これらの回答でも、聞く側は魅力を感ずるものです。

このように仕事がらみの自己PRを口にしてから、趣味、特技、人付き合い、等々について語ればよろしいでしょう。

 

なお、この自己PRについて、もう一つ、私の考えることは「個人の性格差」です。

外向型の性格を持つ人は、この自己PRについていささかオーバーな表現をしてしまうものですし、内向型は「控え目」に過ぎます。

つまり,外向型の人は「私は,何をやらせてもトップでした」、「会社を背負って働き抜きました!」というようなニュアンスで自己を語ってしまいます。

これはおかしいですね。そんなヤリ手がなぜ辞めた、と反発されること必至です。

一方、内向型の人は、「さあ、私にはどこといってPRできるものはありません、式の答え方になりますけれど、これもおかしなものです。そんなダメな奴がなぜウチの会社へ入りたがるのか、って言われますから。

ですから、自己PRに際して「外向型は少し控え目にせよ。内向型はもう少し強気で行け!」ということになるわけです。

私なども、この控え目一方の内向型人間でしょうか。今でも自分のPRを口にすることは全くないんです。つまり、自分が40冊余の本を書いたこと、講演などもかなり上手にやれていること、数多くの相談体験があること などの一応の実績らしきものを、友人に言ったことがないのです。

そんなわけで,昔からの友人は会う度に「頑張れよ! あと10年もすればおマエも本の一冊ぐらい書けるから」と励ましてくれます。「うん、頑張ります」と答えるわけですが、なんかヘンですよね。ですから内向型の人はもう少し積極的になる方がよいようです。

 

「かしこい転職、上手な離職 – 転職探し87のポイント」本多信一著 総合法令

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